巡礼方法
巡礼の順序や移動手段に定められた決まりはありません。
各地の札所には独自の魅力があり、一部を訪れるだけでも十分にその魅力を堪能できます。
個々の参拝が積み重なり、やがて全札所を巡る大きな達成感に繋がるかもしれません。
時間や体力に合わせて、お好みのスタイルで巡礼しましょう。
巡る順番は?
札所の一番から順に巡ることを「順打ち」、四十九番から逆に巡ることを「逆打ち」と呼びます。逆打ちは、うるう年に行うと順打ちの三倍のご利益があると言われており、うるう年には逆打ちを行う巡礼者が増える傾向にあります。
一度に全札所を巡る?
一度に全札所を巡ることを「通し打ち」、複数回に分けて巡ることを「区切り打ち」と呼びます。「順打ち+通し打ち」を行うには、まとまった期間が必要です。現代では、休日を利用して区切り打ちで巡礼を行う方が多く見られます。
移動手段は?
巡礼の移動手段に特定の決まりはありません。車でドライブしながらの巡礼や、バスや電車などの公共交通機関を利用する方法もあります。趣味のバイクでの巡礼も人気です。自分に合ったスタイルで巡礼の旅を楽しみましょう。
参拝の作法
参拝は気持ちであり、作法にこだわる必要はありませんが、
せっかく参拝するなら、お参りの作法を知っておきたいものです。
ここでは、一般的な参拝方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
なお、宗派や寺院によって作法が異なる場合もございますので、札所のご指示に従ってください。
境内に入る
境内(山門)に入る時は、帽子を脱ぎ、山門で一礼しましょう。
御朱印をお願いする
納経所に参拝を告げ、御朱印をお願いし、納経帳を預けます。
一部の無人納経所では、御朱印を自分で押す形式になっている場合もあります。
本堂でお参り
本堂でお参りします。念珠を持ち、開経偈、般若心経、ご真言などをお唱えします。
御朱印をいただく
納経所で最初に預けた納経帳をいただきます。
境内を出る
境内(山門)を出る時に一礼します。
巡礼に必要な服装・お持ち物
巡礼に出かける際の服装とお持ち物をご紹介します。安全で快適な巡礼の旅を楽しみましょう。
服装
神聖な場所への敬意を示すため、白衣を着て、白い手甲を付け、脚絆と地下足袋を履く、法衣が正式とされていますが、普段の服装でも問題ありません。ただし、露出の多い服やカジュアルすぎる服装は避けましょう。また、毛皮や殺生を連想させるような服装も控えるべきです。
お寺によっては山の中に位置しているため、できるだけ動きやすいものがよいでしょう。女性の方はスカートよりもスラックスなどがおすすめです。
日焼け対策 | 暑い夏には、帽子を用意し、熱中症や日焼け対策を行いましょう。 |
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虫除け対策 | 山寺では虫が多いため、虫除けスプレーや長袖・長ズボンを着用しましょう。 |
防寒対策 | 冬の山寺は、冷え込みが厳しいので、防寒対策が必要です。 |
運動靴 | 長い階段や足元が悪いことが多いので、履き慣れた運動靴が最適です。 |
お持ち物
参拝用品と、御朱印をいただくために持っていくと良い物をご紹介します。参拝用品は、ポーチなどにまとめて入れておくと便利です。
九州四十九院薬師霊場会では、専用の納経帳を販売しております。どうぞご利用ください。
御朱印を記録するもの
納経帳(御朱印帳) | 巡礼をされる方の多くは、参拝の証として納経帳に御朱印を集めています。満願成就した御朱印帳を「極楽浄土への通行手形」として、棺の中に入れる信仰があります。 |
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納経軸 | 納経軸に御朱印を集める方もいらっしゃいます。満願成就した掛け軸は、表装を施し、代々大事に受け継がれる家宝となります。 |
御朱印用白衣 | 白衣に御朱印を集める方もいらっしゃいます。満願成就した白衣を冥土へ旅立つ晴れ着として棺の中に入れる信仰があります。 |
参拝用品
経本 | 読経でお経を奉納する場合は、開経偈や般若心経、ご真言などをお唱えします。各経本をご用意ください。 |
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お数珠 | 読経する際に使用します。ご自分の宗派の数珠を用意しましょう。 |
小銭 | お賽銭、御朱印代などに必要です。できるだけお釣りが出ないようにしておくと安心です。 |
その他 | 納め札や写経を納めたい方は各寺院でご確認ください。 |