第24番 開眼山 明星寺

「宮崎市誌」によると、明星寺の創建は建暦2年（1212年）、兵衛尉・上総入道景清公（平景清）によって建立され、天正11年（1583年）に徳尭隣公禅師が開山したと伝えられています。平家方の武将で勇名を馳せた入道景清は、源頼朝に対する怨念を断つため自ら両眼を抉り取り、霧島山中に幽栖しました。没後に洞を建てて祀ったのが生目神社で、いまも眼病平癒に篤い信仰があります。

明星寺はその後、寛文3年（1663年）に清水与右衛門が堂宇を再興、永平寺三十世慧輪永明禅師を請うて中興開山されました。やがて文政3年（1820年）、七堂伽藍が火災に遭い、明治4年（1872年）の廃仏の法難により廃寺となりますが、同13年、帝沢寺の恭山満堂和尚が復興、法灯を継承して現在に至ります。

昭和23年（1948年）、日支事変および大東亜戦争による幾多の戦争犠牲者の精霊供養、併せて平和国家の確立を発願して、十世開眼通顕和尚が本堂を再建しました。これを機に和尚は、戦後の混乱期における身寄りのない老人に心をいためて養老院を誘致し、境内に宮崎市立老人ホーム明星園を開園します。その後、明星園は阿波岐原町へ移転し、跡地に明星幼稚園を開設しました。幼稚園の園庭には大きなせんだんの木が2本あり、四季折々の変化を楽しむ子どもたちの声が本堂まで響き参拝の方々の癒やしとなっています。また、地域の方々と共に、コミュニティ作りを柱としたお寺づくりを行っております。