言い伝えによると、養老2年(718年)、仁聞菩薩が当地に温泉を開き、薬師如来を刻して安置したのが観海寺の創まりとされています。仁聞菩薩は宇佐八幡大神の化身ともいわれる伝説的な僧で、奈良時代に大分県国東半島の各地に28の寺院を開基したと伝えられています。立石山の中腹、町を見下ろす高台に「薬師湯」の堂宇があり、その背後の段丘に観海寺のお堂があります。
観海寺は、後白河法皇、式子内新王の伝記、大友氏・荻原氏・幕末二条義実卿などの事績が伝えられています。後白河法皇と式子内親王の事績は口碑で伝えられており、建久元年(1190年)、法皇が病気に伏せられたとき、夢の中で「豊後国速見の里、鶴見山の東南に温泉煙の立ち昇る所あり、これに浴せよ」というお告げを受け、ご入浴に下向したとされています。法皇の第三皇女・式子内親王もまた薬師湯を好んで入浴して、生涯をこの地で過ごされたそうです。式子内親王は中世を代表する女流歌人の一人で、小倉百人一首の第89番である式子内親王が詠んだ短歌は、観海寺の御詠歌となっています。
観海寺の歴史は千有余年続いたとされ、その間に何度も兵火に罹り、明治維新の後には廃寺となりました。現在の観海寺は昭和13年(1938年)に高階瓏仙禅師が再興開山し、上田寧によって中興開基されたもので、禅宗系曹洞宗となっています。治病の信仰に篤く、境内には式子内親王御墓や、幕末の有志二条義実公御墓・特攻撃隊憩翼の碑があります。
玉の緒よ
たへなばたへね ながらへば
しのぶることの よわりもぞする
詳細情報
寺院・ 札所名 | 清寧山 観海寺 |
---|---|
通称 | 温泉薬師 |
住所 | 〒874-0822 大分県別府市観海寺4 |
電話番号 | 0977-23-2639 |
FAX | 0977-26-4312 |
宗旨 | 曹洞宗 |
本尊 | 薬師如来 |
恒例行事
- 初薬師祭
- 日時:1月8日
- 本薬師祭
- 日時:8月21日
12時 本堂にて供養行事
17時 近くの広場にて供養盆踊会
- 秋葉祭
- 日時:10月28日
アクセス情報
アクセス 方法 | 【電車・バスの場合】 JR日豊本線・別府駅よりタクシーで10分。 または別府駅より亀の井バスで「観海寺入口」下車後すぐ。 【車の場合】 東九州自動車道・長崎大分線・別府ICより8分。 |
---|---|
駐車場 | あり(普通車8台可) |