第10番 石立山 岩戸寺

国東地方には仁聞菩薩によって開基された寺院が28箇所あり、その寺院を総称して「六郷満山」と呼びます。六郷満山の一つである岩戸寺は養老2年（718年）に開基され、本尊には仁聞菩薩の作と伝わる薬師如来坐像が祀られています。

境内は六郷満山の特色である山寺形式を色濃く残し、数ある国東塔の中でも日本最古かつ優秀な作とされる国東塔や、銘があるものとしては最古といわれる石造仁王像など、多くの有形文化財が残されています。本堂横の階段からは奥の院に進むことができ、薬師如来本尊安置された薬師堂や講堂などが建っています。

この講堂で行われる「修正鬼会」は六郷満山伝統の仏教行事で、国家安寧、五穀豊穣、無病息災を願って旧正月に行われる大法要です。国の重要無形民族文化財に指定されており、ご利益を求めて県内外より多くの参拝者が訪れます。かつては六郷満山の各寺で開催されていましたが、現在は天念寺が毎年開催し、岩戸寺と成仏寺が隔年開催するのみとなりました。